増田ゼミについて
ゼミの紹介
増田ゼミでは,人が「〜らしさ」(他の言葉を用いるならば,「意味」)を感知するメカニズムと,
そのメカニズムを支える知識のありよう(他の言葉を用いるならば,「表象」あるいは「表現」)の
解明に認知科学的方法を用いて挑戦しています.「認知科学的」と表現している理由は,必ずしも
「認知心理学」や,さらには「心理学」にすら,こだわっていないからです.ただし,当ゼミを含む
心理学専攻の総意に加え,増田があまり賢くないことを理由に,ゼミ生の研究は,ある程度実証的デ
ータに基づいたものに限定させてもらっています.しかし,シミュレーション研究などの中にも十分
に意義深いものがありますので,心理学における“行動データ”や“生理データ”などのように,人
間を相手に得られたデータに,必ずしも基づかなくてもよいと考えています.
「〜らしさ」の「〜」に入る言葉には様々なモノ・コトが考えられます.増田が今までに実施して
きた研究において「〜」にあたるのは,単語,漢字,覚えた言葉,ロボット,(社会的な意味におけ
る)人やペット動物(コンパニオン・アニマル)などです.しかし,ゼミ生の研究(卒業論文,卒業
研究)は,これらに限定されません.むしろ,「〜らしさ」の「〜」に当てはまる言葉を自分自身で
見つけることが重要であり,そのテーマに関する研究に科学的意味があり,実証的データに基づいて
検討しうるならば,いかなる研究テーマであってもかまいません.
想定される研究テーマ
そうは言っても,自分で研究テーマを見つけることは簡単ではありません.さらに,増田が指導し
やすいテーマとそうではないものとがあります.そこで,以下にテーマの例を挙げておきます.しか
し,繰り返しになりますが,これらのテーマに縛られる必要はありません.
- 心理学っぽいテーマ
知覚,注意,学習,記憶,言語,思考,感情,意志決定,運動など
現在,増田は以下の具体的な研究テーマに関心を寄せている
- 文字(漢字)の筆記運動学習
- 感情(気分)と思考との関連性
- ことば(おもに,単語)に関する各種のデータベースの作成
- 認知科学っぽいテーマ
マン−マシン・インターフェイス,ユニバーサル・デザイン,コンピュータ利用の教育支援,
インターネットや電子メールを介したコミュニケーション,行動のプランニング
- 中間的(心理学と認知科学のどちらでもありの)テーマ
ロボット・動物に対する態度,競合的問題解決
期待する学生像
- 自分の身体および精神の健康管理をできる人
- 実験や調査に協力して下さる方をはじめ,誰に対しても誠実な人
- 研究データに対しても誠実な人
心身の健康管理は当たり前のことなのですが,改めて強調しておきます.当ゼミで実施する
実験は,人間(実験参加者)を対象とします.したがって,実験に参加する方は,わざわざ時
間を割いて実験に協力しようとして下さっているのですから,実験者が体調を崩して,予定し
ていた実験をキャンセルすることは許されません.実験者が予定していた実験をキャンセルで
きる時は,極端に言えば,肉親が死亡したときと法定伝染病にかかったときだけだと心得て下
さい.
これに対して,実験参加者が何の連絡もなしに予定していた日時に現れないこともあります.
それはかなりのストレッサーです.さらに,増田は授業中も授業時間外でも,研究に関して思
いつきで意見を言ったり指示を出したりし,かつ過去の意見や指示の多くを忘れていますので,
必然的にゼミ生は矛盾する意見や指示を受けることがあります.これもまたストレッサーかも
しれません.ゼミ生にはこれらをストレスと感じず,増田の矛盾する意見や指示に振り回され
ない強い精神力と,落ち着いて自分なりに考え直す習慣とを身につけていただきたいと思って
います.
実験や調査に協力して下さった人たちに,その実験や調査からいかなることがわかったのか
をお伝えすることも重要です.研究の結果は,たとえそれが当初の予想から外れたものとなっ
てしまったとしても,協力者に直接的あるいは間接的に開示されるべきと思います.逆に言う
と,結果を開示しうるような研究をしていただきたいと思います.研究結果の開示の機会とし
て,「演習」の授業では,口頭発表会やポスター発表会を半期に1度催したいと思っています.
これらの発表会や「演習」の授業において,自分の研究を発表する際には,“発表させられ
ている”という感覚ではなくて,“みんな忙しいのに自分の発表を聞いてくれている”という
感覚を持って臨んでいただきたいと思います.その感覚が養われないと,決してよい発表には
なりませんし,その結果として,自分に有益なコメントをもらえないと思います.
ゼミの構成員数
現構成員 |
教 員 |
1名 |
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4年生 |
9名 |
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3年生 |
10名 |
卒論等提出者 |
08年度 |
14名 |
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07年度 |
9名 |
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06年度 |
12名 |
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05年度 |
10名 |
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04年度 |
1名 |