ゼミナール I
経済シミュレーションおよび実験経済学ゼミナール

 経済システムを理解し、分析するための手法として、コンピュータ・シミュレーションや被験者実験による手法(実験経済学)がある。 シミュレーションは経済理論が分析のためにやむを得ず採用している非現実的な仮定や厳密な条件設定を緩和し、より複雑で現実的な設定での分析を可能にする。 一方、被験者実験による手法は実際の人間の行動を観察・分析することにより、現実の人間行動の分析、理論解析やシミュレーション結果の妥当性の検証などに応用されている。
本ゼミナールではゲーム理論や意思決定論をもとに、経済システムにおける人間行動のシミュレーションと被験者実験による分析手法を実践を通じて学び、 実際に自分達で簡単なシミュレーションおよび被験者実験の実施と分析をおこなうことを目標とする。

 (シラバスより抜粋)

ゼミ内容や実施したゲームなど
第1回 ガイダンス
ケインズの美人投票ゲーム・・・ある条件の下での数字当てゲーム
  1. 0〜100までの中から1つ数字を選んで紙に書く
  2. 全員の平均値を計算し、その2/3を当選数字とする(小数点以下切捨)
  3. 当選数字、もしくは当選数字にいちばん近い数字を書いた人の勝ち
 ゲームの名前は著名な経済学者ケインズが株式市場の説明をするために用いた比喩にちなんだもので、 株式市場では自分が良いと思う銘柄よりも、「他の人が買いそうな(つまり最終的に値上がりしそうな)」 銘柄を購入した方が良い(利益が得られる)、というものである
 これをシンプルなゲームの形にしたものが今回の実験で、ポイントは「他の人が書きそうな数字」を考えながら 当選数字を予想するところにある。
 しかし、ゲーム理論の想定する「合理的な」主体での均衡解と人間による実験結果は異なることが多い。 理論均衡がどうなっていたか、実際の実験結果はどうだったか、その理由は何か、など今後の学習の入り口として考えてみよう。

実験結果
選んだ数字 14 16 17 18 19 21 24 24 27 28 88
当選数字(平均*2/3、小数点以下切捨) 17
当選者 17と書いた人

参考:2009年の実験結果
選んだ数字 20 22 22 22 25 28 29 30 31 47
当選数字(平均*2/3、小数点以下切捨) 18
当選者 20と書いた人

参考:2008年の実験結果
選んだ数字 13 26 27 30 43 50 63 66 68
当選数字(平均*2/3、小数点以下切捨) 28
当選者 27と書いた人

参考:2007年の実験結果
選んだ数字 5 17 22 25 31 32 35 40 50 50 67
当選数字(平均*2/3、小数点以下切捨) 22
当選者 22と書いた人

第1回資料/配布資料

第2回
市場実験のひとつである「ダブル・オークション」実験をおこなった。
各自が売り手と買い手に別れ、口頭で価格を提示する取引により、市場均衡に近い取引価格が達成されることが確認された。

第2回資料
第3回
パン屋の価格競争をモデルに、ベルトラン競争実験をおこなった。
競争により価格が下落して行く様子が観察された。また、Excelを用いて簡単なシミュレーションを作成した。

第3回資料
第4回
テキスト第3章の輪講をおこなった。

第4回資料(学生作成)
第5回
ゲームの戦略形と展開形、およびナッシュ均衡についての概要を学んだ。
その中から囚人のジレンマ、キッチン・ゲーム、参入ゲームについて実験をおこない、それぞれのナッシュ均衡について考察した。
また、Excelを用いて囚人のジレンマゲームの対戦シミュレーションを作成した。

第5回資料
第6回
テキスト第3章のまとめ及び実験結果報告をおこなった。

第6回資料 第3章まとめ(学生作成)/第6回資料 実験結果報告(学生作成)
第7回 シミュレーションの基礎(3)
Excelを用いて簡単なシミュレーションの作成方法を学習した。

第7回資料
第8回
テキスト第4章の輪講をおこなった。

第8回資料(学生作成)
第9回
テキスト第4章のまとめ及び実験結果報告をおこなった。

第9回資料 第4章まとめ(学生作成)/第9回資料 実験結果報告(学生作成)
第10回
テキスト第5章の輪講をおこなった。

第10回資料(学生作成)
第11回
テキスト第5章のまとめ及び実験結果報告をおこなった。

第11回資料 第5章まとめ(学生作成)/第11回資料 実験結果報告(学生作成)
第12回
テキスト第7章の輪講をおこなった。

第12回資料(学生作成)