環境問題について考える

2012.3.6 環境問題の解決はむずかしい?

 地球環境問題の大きさと,我々の取り組みとのギャップをみていると,環境問題の解決は相当に難しいかほとんど不可能だという印象をもつ.ただ,地球環境の変動は人間活動の大きさに比べて大きいので,たとえば人間活動が温暖化に寄与するとしても,いつ寒冷化に向かうのかも予測できない.実際,長い目でみれば,地球は確実に寒冷化している.だから,運良く,地球が少し寒冷化して温暖化と相殺されるかも知れないことを願っている.しかし,環境問題は温暖化だけではない.地球上のあらゆる生物資源と鉱物資源を人間が無秩序に使いまくっていることが問題である.環境を改善しようと思ったら,元首相が言った二酸化炭素25%削減などいう手ぬるいものではなく,5割とか8割も生活を切り詰めなければならないかもしれない.しかし身の回りを見渡してみると,半分ぐらいはいらないものなのではないだろうか.いらない物であふれている.物ばかりではない,いらない事もおおい.それらをへらせば,二酸化炭素25%削減やそれ以上の削減も可能性がみえてくる.実際,震災以来,政府や東電などが原発をどうしても残したいがために,原発のありがたさをみせしめるために節電をうたったが,みんなが協力したおかげで,原発がなくても電力はそもそも十分に足りていることが誰の目で見ても明らかになってきた.知らずうちに,必要以上に電気を消費させられてきた.

ところが,現在の経済の仕組みは大量消費をもとにしてなりたっているので,すぐには消費を減らすことはできない.消費することに慣れ,大量消費に対する罪悪感も薄れ,同時に,消費することが社会を豊かにすることであり,企業や国の成長も消費拡大しかありえないと信じ込まされている.あげくのはてに,消費しなければ国や大企業は雇用も厳しくなるぞ,と脅しているのである.この悪循環を断ち切り,消費を増やさなくても豊かになる社会や地域のモデルをつくらなければならない.