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2012.4.5 環境と科学技術者の関係
わたしは大学で教えているが,化学の研究もしている.自然科学や技術の世界では環境をまもるということが大きな研究課題になった.おおくの平均的な科学技術者は自分の研究成果が環境をまもることにつながるように,がんばっている.がんばっているが,自分でもでてきた成果がどのように使われるか予測できないことも多い.良いことばかりにつかわれるわけでもない.科学技術者はこのようなことも考えながらがんばっている.しかし,科学技術開発は,基本的には知の探求でありあたらしい物をつくろうとする活動である.だから世の中を良くしようとして科学技術の研究をすすめても,どんどんあたらしいものができてそれが思いがけないつかわれかたをしたり,弊害をもたらしたりして,総体的に見れば科学技術者の活動で環境はよくなったとは言えない.科学技術者には環境を悪化させた責任がある.これは環境と科学技術者の1つの関係である.
しかし,世の中のため人のために働こうとする科学技術者ばかりではない.いわゆる御用学者がいる.かれらは環境を破壊するために存在するようなものだ.これも環境と科学技術者との1つの関係である.