環境問題について考える

2012.4.10 便利なものには落とし穴がある

 わたしが助手をしていたときの教授がこのように言った.まさに同感である.われわれは化学をつかって人を便利にするために仕事をしてきたつもりだ.だが,そのうらはらに,予想もできない問題がはらんでいることもしばしばある.新しい物質をつくるとどのような弊害があるかはわからない.それが科学技術の現実である.もちろん研究者は,よいものだけをつくろうとしているが,悪い物も大量につくっていることになる.

 研究者に言いたい.これ以上あたらしいものをつくってもむしろ社会はわるくしかならないのではないか.歴史がすでにそのことを証明している.便利な物よりもいい物をつくる方向に仕事をシフトしてほしい.